子どもには怒る?叱る?「怒る」と「叱る」
みなさんは「怒る(おこる)」と「叱る(しかる)」の違いについて話を聞いたことがあるでしょうか?
そんなの知ってるよ!と思う方もいらっしゃると思いますが、意外に知られていないので、ここで改めて説明をさせていただこうと思います。
怒る(おこる)とはどういうこと?
怒る(おこる)は怒る(いかる)とも読みます。
その字の通り、自分自身が怒(いか)ってイライラした感情を相手にぶつけることをいいます。
つまり、相手がした行動に対して自分自身がイライラしたので、そのイライラを発散させるために怒る!ということになります。
例えば、自分の子どもがわざと家の中のテレビを壊したとします。
テレビが壊れた→テレビが見られない。また買うと高い→イライラする→子どもを怒る→一時的なイライラは発散される というような流れです。
このとき、子どもに対して感情をぶつける言葉がほとんどです。
叱る(しかる)とはどういうこと?
怒るという言葉に対して、叱るという言葉があります。
これは、相手のことを考えて、相手のために話をするということです。
例えば、自分の子どもがわざと家の中のテレビを壊したとします。
テレビが壊れた→ものに当たるのはよくない→将来的にものにあたる人間にはなって欲しくない→子どもを叱る という流れです。
では、「怒る」と「叱る」はどちらがいいのか?
時には感情をぶつけることも大切であるので、一概には言えませんが、子どもが何かしたことに対して、子どものためを思って注意をするのならば、断然「叱る」ことが大切です。
DICのキャンプや体験活動の際には、「叱る」ことはあっても、「怒る」ことは1回もありません。何か問題があるときでも常に「叱る」ことを意識しています。
問題を起こしたとしても、子どもにとっては初めてのことだったかもしれません。それをいきなり「怒る」のではなく相手のことを考えて「叱る」ことが大切だと考えています。
「叱る」ためのコツ
そうは言っても「叱る」ということは難しいです。特に我が子となれば「怒って」しまいがちです。
ここでは、教育界で言われている「叱る」ときのコツをお伝えします。
その子1人の環境で叱る
みんなの前(家族や友達など)で叱ることは、その子を辱めることになってしまいます。また、周りの子ども達も、その子への悪い印象を持ってしまうことがあります。
目線を合わせる
大人は目線が高いので、子どもからすると必要以上の威圧感を感じてしまいます。しゃがんだり、イスに座ったりして子どもの目線に合わせましょう。
行動を叱り、その子を叱らない
「どんな行動が悪かったのか」を伝える。その子の人間性を否定しないことが大切。「あなたの存在はとってもすばらしい!だけど〇〇という行動はよくないね」というニュアンス。
いけない理由を伝える
その行動の「どうしていけなかったのか」の理由を伝える。怒るの場合はこれが抜けていることが多い。「どうしていけないのか」がわからないままだと、また同じことを繰り返してしまいます。
具体的な方法を考えさせる。または教える。
「どんな行動が悪かったのか」「どうしていけなかったのか」がわかったところで、では「次はどう行動するのが良いか」を考えさせます。自分で考えたことは実行に移しやすいですし、評価もしやすいです。自分で考えても思い浮かばないときは教えてあげることも必要です。
まとめ
「怒る」と「叱る」の違いは、自分の感情を相手に向けるか、相手のことを思って話をするかということです。
子どもの成長を考えれば、「叱る」ことが大切です。しかし、様々な重要ポイントもあるため時間を必要とします。成長のためと考え、じっくり時間をとって、子ども達と向き合ってあげてください。