現代の社会において、子どもたちに「生きる力」を育成することが求められています。「生きる力」とは主に「学力、道徳心、体力」を兼ね備え、現代社会でたくましく生きていく力(自主性、自律性)のことです。

 これらは学校教育において育むべき力なのですが、実際のところ、学校教育では規制が多く、「学力」に目が向けられることが多いため、生活体験はないがしろにされがちです。また、これまで、地域全体のつながりにおいて子どもを育てていた面がありましたが、最近では両親の共働きなどから核家族が増え、地域のつながりも薄くなっているのが現状です。地域の中には、ボール遊びが禁止になる公園も増え、子どもたちが外で遊ばず、ゲームをしてしまうのも納得できます。「最近の子どもは・・・」などとよく言われますが、このような状況をつくってしまったのは私たち大人ではないでしょうか?

 しかし、同時に、私たち大人の行動次第で子どもたちに体験をする場を作り出すこともできます。

 そこで、DICの活動では、家庭や学校では普段できない体験をすることにより、子どもが本来持っている「やる気」を引き出し、自ら積極的に物事を行おうとする「自主性」、規律に従って自分で判断し行動しようとする「自律性」を育てようと考えました。

 私たちは、これらの要素を全て含んでいるのが自然体験キャンプだと考えています。DICキャンプでは、班をつくり、異年齢集団で行動することで、道徳心を培い、たくさん遊ぶことで体力をつけます。

 そうなると、キャンプなんて学力には関係ないじゃないか!と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、自然体験の経験が豊富な子どもは学力も高いという傾向があります。それは、何にでも興味を持って物事を探求しようとするからです。例えば、キャンプの野外炊飯で火をおこす場面を想像してみましょう。

 (例)子どもは薪をたくさん入れて横からうちわで仰ぎますが、なかなか燃えません。そこで、薪の数を減らしてうちわで下から仰ぐと火は勢いよく燃え上がりました。

 子どもは「薪をたくさん入れれば燃えるはずなのに、燃えないのはなぜだろう」と考えます。この「なぜだろう」がとても大切なのです。実際には、たくさん薪を入れたからといって火の勢いが強くなるわけではありません。新しい空気(酸素)が入るスペースと、古い空気が出ていくスペースがないといけないのです。

 これは6年生の理科の授業(ものの燃え方)で出てくる内容です。「なぜだろう」と考えた子どもは、実体験を伴って理科の学習に臨むことになるので、机上の理解ではなく、本当の意味で深く理解できるようになるのです。

 このように、体験活動を通して培われる力は大きなものがあると考えています。これからの未来を担うのは今の子どもたちです。子どもたちのために、私たち大人ができることを少しずつでもやっていきたいと思っています。

 

 

Dreams In Club 代表 深山翔平

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